高音をキレイに出すにはミックスボイスが必要って聞くけど、ミックスボイスってなに?
ミックスボイスの出し方ってどうやるの?
ミックスボイスが使えないと歌が上手くならないっていうけどほんとかな?
こんな疑問ありませんか?
この記事では
- ミックスボイスとはなにか。
- ミックスボイスの出し方。
- ミックスボイスは歌が上手くなるのに必要か。
について話していきます。
早速結論から言ってしまいますと、
「高音を出すために、
ミックスボイスを意識する必要はありません。」
特に、
「ミックスボイスさえ身につければ
高音が思い通りに歌えるようになるはず!」
と思っている方は要注意です。
「ミックスボイスを出せるようになっても
高音が思い通りに歌えるようにはなりません」
どうですか?
びっくりしましたか?
「ミックスボイス」を追っている限り、
あなたが高音を出せるようにはなりません。
「え?高音が出せるようにならないなら
ミックスボイスってなにさ?」
という声が聞こえてきそうなので、
冒頭のお約束通り「ミックスボイスとはなにか?」
についてお話していきますね。
そして、この記事の最後には、
「ミックスボイスがいらないなら何をすればいいの?」
その方法についても話していますので、
是非最後まで読んでくださいね。
ミックスボイスとは?
ミックスボイスとは・・・
「地声(チェストボイス)」と
「裏声(ファルセット)」を混ぜた(ミックスさせた)声
という定義がよく見られる内容です。
「地声と裏声を混ぜる・・・?
意味不明だよ!」
そう思いませんでしたか?
私もそう思いました(笑)
地声は地声だし、裏声は裏声です。
ちなみにWikipediaでは、こう書かれています。
そもそもは「声区の融合」を意味しており、
現在では主に(ファルセットでない声という意味での)
胸声区で高い音を出すための技術として捉えられている。
ミックスボイスには、大別して二つの意味がある。
特に高い声を出すときに意識的に呼気を多くする、
又は声門の閉鎖を弱めた柔らかい声で(時に息を混ぜ気味にすることで)
換声点(声区の変わり目)を滑らかに通過するスタイル。
またそれにより得られる声色。
頭声を駆使して高音域を地声のように出すこと。
またそれにより得られる声色。主に男性の唱者についていわれる。
ちょっとわかりづらいので、
私なりに解釈した内容をお伝えしますね。
ミックスボイスとは
「地声から裏声への切り替え(喚声点)を
わかりづらくする技術」
というのが私なりの解釈です。
喚声点(かんせいてん)について
悩んでいる人はかなり多いです。
ということでつぎは、喚声点をわかりづらくする
「ミックスボイスの出し方」についてお話していきますね。
ミックスボイスの出し方
ミックスボイスの出し方については
つぎの5つのポイントに沿って
トレーニングすることが推奨されています。
- ノドを開く
- ハミングで鼻腔共鳴
- 声帯をしめる
- 裏声
- 腹式呼吸
これから1つずつ説明していきますね。
ちなみに、私がこの中でもっとも重要だと思っているのは
「ノドを開く」ということです。
「ノドを開く」重要性は、
「ミックスボイス」に限ったことではありません。
正直この「ノドを開く」ができていないと
歌は絶対に上手くならないと思っています。
それでは、順番にいきましょう!
ノドを開く
ノドを開くのに重要なキーワードは
「あくび」
です。
正直この「あくび」が出来れば、
ある程度歌えるようになります。
重要なのは「あくび」そのものではなく、
「あくびのノドの形」です。
最終目標は、歌を歌っている間は
”常に”「あくびのノドの形」ができるようになること。
なんだか難しそうだと思いましたか?
でも大丈夫です。
「あくびのノドの形」の練習はとっても簡単!
とっても簡単ですが、
その効果は絶大であると断言します。
そのトレーニング方法とは・・・
「今この記事を読んだ瞬間から、
ノドの形に注意してあくびをする」
これだけです。
あなたの人生の中で「あくび」は
何千回、何万回としてきていますよね?
でも「あくびのノドの形」を
意識して生活をしてきたことはないと思います。
それをただ”意識するだけ”です。
歌に限らず何でもそうですが、何かを上達させるには
「日常的な習慣」に落とし込んでいくことが超重要になってきます。
でも、「習慣化」ってかなり大変ですよね?
その点「あくび」は意識しなくても自然に出てきます。
その度にトレーニングを思い出せるので、
「トレーニングの習慣化」が勝手に出来てしまうのです。
これってすごくないですか?
ちなみに私は「習慣化」しすぎて、
歌に関係なく日常生活すべてを「あくびのノドの形」で
生活するようになってしまいました(笑)
ここまでする必要はありませんが、
なるべく「あくびのノドの形」を意識してみてくださいね。
「ノドを開く」効果については
こちらの記事でも話していますので、参考にして下さい。
ハミングで鼻腔共鳴
「ノドを開く」ができたら、次は「ハミング」です。
もちろん「ノドを開く」トレーニングと
並行して行っても良いのですが、
「あくびのノドの形」が出来ないと
上手く「ハミング」のトレーニングも出来ないと思います。
まずは「あくびでノドを開く」ことを最重要課題として、
ゆっくり進んでいきましょう。
焦りは禁物ですよ?
ここで1点注意です。
トレーニングはそれぞれ別々のものではなく、
つながっているものだと思ってください。
つまり、
「”ハミング”する時にも、
”あくびのノドの形”を維持することを忘れない」
ということです。
では「あくびのノドの形」が思い出せたら、
次をお読みくださいね。
・・・思い出せましたか?
では、続きをどうぞ。
「ハミング」というのは、
口を閉じて歌う「鼻歌」だと思ってください。
今回「鼻腔共鳴」という言葉を使いましたが、
「鼻腔共鳴」は意識しなくても大丈夫です。
もしかしたら、いろんな教材やネット情報で
「鼻腔共鳴」という言葉を聞いたことがある方も多いかと思います。
ですが、ここでは一旦
「鼻腔共鳴」という言葉は忘れてください。
逆に「鼻腔共鳴」を意識しすぎると、
あまりきれいではない「鼻声」に
なりやすいので注意が必要です。
ではなぜ「ハミング」が良いかというと・・・
「口から声が出ない」感覚がつかめるからです。
頭の中に「?」が何個も浮かんでしまったかもしれませんね(笑)
「口から声が出ない」感覚をつかむ理由は、
こちらの記事を読んでみてください。
あなたの歌の常識が変わる体験ができるかもしれませんよ?
声帯をしめる
声を出すことって簡単に言ってしまうと、
声帯を「しめれば」声が出るし、
声帯を「ひらけば」声が出ない、
ただこれだけです。
「当たり前だろー!!」
って声が聞こえてきそうですが、
極論言ってしまえばこの説明になります。
「声帯をしめる」感覚については、
こちらの記事でお話していこうと思います。
少しだけお話しますと、
声帯は声帯自体ではなく、実は声帯の周りの筋肉で動かしているんですね。
この筋肉には2つの種類があって、
「声帯を縮める筋肉」=地声を出す
「声帯を引っ張る筋肉」=裏声を出す
という特性を持っています。
「高音」が出せなかったり、「喚声点」に悩んでいる人は
この「声帯を縮める筋肉」ばかりを使い、
地声を張り上げることで高音を出そうとしているわけです。
地声を張り上げて出るギリギリの高音部分で
「もう無理!」となったとたんに、
一気に「声帯を縮める筋肉」に力がなくなります。
この時「声帯を引っ張る筋肉」をトレーニングしていないと、
よわよわしい裏声に変わってしまうために「喚声点」が目立つのです。
そういう方には
「声帯を引っ張る筋肉」のトレーニングが大事になってきます。
「高音」が出せないという方は「声帯を引っ張る筋肉」を使って
「裏声」を出すトレーニングしていくと、
だんだんと「高音」が出しやすくなりますよ。
ということで、次は「裏声」に続きます。
裏声
先ほどお話した2つの筋肉でいうところの
「声帯を引っ張る筋肉」
で声帯をコントロールして出すのが「裏声」です。
「裏声」のトレーニング方法でおすすめなのは、
「低音裏声発声法」です。
あ!
この「低音裏声発声法」は、
今私が考えた方法なのでググっても出てきませんよ(笑)
名前のことはおいておくとして、
トレーニング内容ですね。
裏声を出したまま音程をどんどん低くしていくと、
裏声が維持できずに地声になってしまう
ポイントがあると思います。
この裏声から地声に変わるポイントを、
できるだけ低音まで下げられるようにするトレーニング方法が、
「低音裏声発声法」です。
そのまんまですね(笑)
通常の「喚声点」は「地声→裏声」ですが、
「低音裏声発声法」ではこの流れを逆にしています。
「喚声点」の流れを「裏声→地声」にすることで、
今までの認識とは真逆の感覚で「喚声点」を経験できるのです。
そうすると、低音部でも
「声帯を引っ張る筋肉」を使えるという
意識が身についていきます。
この意識が身につくことで、
だんだんと「喚声点をわかりずらく」していけるのです。
つまり「喚声点をわかりずらくする」には、
「低音部から声帯を引っ張る筋肉を使っていく」ことが
重要なのです。
「低音裏声発声法」のトレーニングは
「声帯を引っ張る筋肉」が鍛えられると同時に、
「喚声点」をわかりずらくできるという
一石二鳥のトレーニングなんですね。
ここで忘れていけないことがあります。
覚えていますか?
そうです、「ノドを開く」。
「裏声」のトレーニングも
「ノドを開く」ことを忘れずにやりましょう!
腹式呼吸
最後に「腹式呼吸」です。
正直この「腹式呼吸」には賛否両論あります。
私個人の意見としては、
「腹式呼吸は意識しなくても良い」
と思っています。
というよりも、
「腹式呼吸ができないとミックスボイスはできません!」
という極端な説明をしているボイストレーナーはちょっと疑問です。
特に「お腹に力を入れて!」
というトレーナーは要注意だと言っておきます。
お腹に力を入れてもなんの意味もないどころか、
そもそも呼吸自体がしにくくなってしまいますからね。
同じく腹筋をバッキバキにするような
筋トレも意味がありません。
ボディビルダーがみんな歌が上手いかというと、
そんなことはないですよね?
「腹式呼吸」の解釈も様々あって、
どれが本当かわからないのが現状ではないかな、
と思っています。
わからないものを習得させようとすればお金儲けができるので、
実はマーケティングのひとつなのかもしれません。
Wikipediaで見ると「腹式呼吸」は、歌というよりどちらかといえば
ヨガなどで使われている「リラックスするための呼吸法」
という意味づけが有力な気がします。
歌う前のリラックスを作るための
「腹式呼吸」は効果的だと思いますよ。
リラックスは大事ですからね。
つまり、
「歌っている間は腹式呼吸は意識しなくても良い」
というのが私の結論です。
腹式呼吸に関しては
こちらの記事も参考にしてみてください。
ミックスボイスという言葉が持つ幻想
歌について少し調べると、
横文字がたくさん見つかります。
「ミックスボイス」
「ミドルボイス」
「ヘッドボイス」
「チェストボイス」
「エッジボイス」
「ホイッスル」
「ファルセット」
この中で「ミックスボイス」は、いかにもな名前で
歌が上手くなりたい人の心をくすぐってきます。
(実は、私もくすぐられたクチです(笑))
そうして「ミックスボイス」を検索すると、
「ミックスボイスができれば
プロのように歌が上手く歌えるようになるよ!」
と言っているボイストレーナーが
とても魅力的に見えてくるわけですね。
でもこのようなキャッチ―なフレーズは、
ボイストレーナーの売上を上げるための「売り文句」に過ぎません。
というか「極端すぎる」んですよね。
あたかも「ミックスボイスだけ」できれば、
速攻で「歌が上手くなる」かのように聞こえます。
さらに「プロのように」という言葉で、
読者へ「楽に歌が上手くなる」という幻想をいだかせてしまいます。
ボイストレーニングは「筋トレ」のようなものなので、
上手くなるにはそれなりの期間を継続することが必要です。
あるひとつのこと(たとえばミックスボイス)
だけのトレーニングで「プロのように」
上手くなるようなものではありません。
プロのようになるってものすごいことですよね?
そもそも、そんなものが簡単に手に入ってしまっては、
世の中「プロだらけ」になってしまいます(笑)
ミックスボイスは歌が上手くなるのに必要か?
ここで質問があります。
あなたの目的は「ミックスボイス」を出すことでしょうか?
あなたが望んでいることは
「歌が上手くなること」
「高音が出せるようになること」
ではないでしょうか?
ミックスボイスは「簡単に歌が上手くなる(高音が出る)」
といった魔法のツールではありません。
自分の目的をしっかり持って、
「ミックスボイス」の幻想に惑わされないことが大切です。
「ミックスボイス」を手に入れることが目標になってしまうと、
甘いボイストレーニングの罠に引っかかってしまうので
気を付けてくださいね。
そもそも
「プロのように歌える」必要ってありますか?
- デートで「すごーい!歌うまいね!」って言われたい。
- 仕事や友人との飲み会で「めっちゃ歌上手いね!これも歌ってみてよ!」と優越感に浸りたい。
このような日常の中での「ちょっとした自信」になれば
充分なレベルなのではないでしょうか?
なりたい自分をしっかりとイメージして、
あなたに合ったトレーニングを探してくださいね。
ミックスボイスよりも重要なこと。
ここまで、
- ミックスボイスとはなにか?
- ミックスボイスの出し方
をお話してきました。
ただ、冒頭で私は
「ミックスボイスは意識しなくて良い」
と言っています。
その理由は、
「ある程度(カラオケで90点程度)
歌が上手くなることが目的ならミックスボイスは不要」
だからです。
カラオケで90点を出す程度なら、
この記事で紹介したトレーニングの
- 「ノドを開く」
- 「ハミング」
この2つだけで充分な効果があります。
特に「あくび」の効果は絶大ですので、
これだけでも試してみる価値はあると思います。
「あくび」の重要性はこちらの記事でも紹介していますので、
カラオケで90点を出したい方は是非チェックしてみてくださいね。
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